眺めのイイ場所、から街とか川とかその向こうの山々、とか見てると「あーこの中のどこにも俺は行かねぇんだな」って毎回脊髄反射でそう思う。いやどこにもってのは大げさで、来た道をまた引き返す、その道だけは行く、足で踏むわけだけど、でもまぁそれだけだな、みたいな。
それはあれだ、GTAとかあれ系のオープンワールドのゲームやってて、おーすげぇ広いとか思って、でも別に実際そこまでマップのあちこち行くわけじゃない、まったりドライブしようとか思ってもすぐ飽きる、やめちまう、結局実質ほとんどどこにも行ってねぇよ、ってのとまったく同じ話で、そういう意味でなら自分にとってゲームと現実はかなり等価で、同じリアリティで、なんつーか、ゲームって結構すげぇな、みたいな、陳腐なこの現実と五十歩百歩って意味ですげぇな、みたいな。
そういやGTAがまさにそうだけど、あの手のオープンワールドのゲームはよく「ハリボテ」、要はマップ自体は無駄に広いくせにほとんどの建物は入れねぇ、的なことをよく批判されたりしてて、それは確かにそうだけど、でもまぁ、実際現実でもそんなあれこれ家とかビルとか店の中なんて入らねぇよな、一生のうちで開けるドアの数なんてたかが知れてるよな、そう思えば、現実の目に見える風景だってハリボテみたいなもんだよな、だからまぁ、それならもう、ハリボテこそが写実的、この現実をきっちり模してるってことかもな、ならこれでいいよもう、みたいな。行けよ、そのまま。