順番待ち

 

ドン詰まりの俺たち、この街で

道を這い上がって落ちて

橋を這い上がって落ちて、地下鉄に乗る

この世界を這い上がって落ちる

一周一生

燃えて燃え尽きる俺たち

生まれて死ぬまで忙しい

死ぬときだけは横入りなし

アタマを下げて、列に並んで

ママの子宮に戻ってく

                                  (許立志)

 

 

いつかそんな日が

 

いつかそんな日が来る

知り合い&初顔、そいつらがここで俺の骨を拾う日が

そんで撒き散らした血を洗い流してくれるだろう

ひっくり返した椅子とテーブルを直してくれるだろう

腐ったゴミを捨ててくれるだろう

外の服を取り込んでくれるだろう

書けなかった詩を書いてくれるだろう

読めなかった本を読んでくれるだろう

つけられなかった灯りをつけてくれるだろう

〆はずっと開けてなかったカーテンだ

そいつを開けて、陽の光を入れてくれるだろう

そんでまたピシャッと閉める、バシッとよ

万事ビシッと、厳粛に

全部終われば

あとは並んで出てくだけ

静かにドアを閉めてくれるだろう

                                  (許立志)

 

 

鉄の月を飲んだ

 

俺は鉄の月を飲んだ
ネジだよネジ

 

俺は工業排水を飲んで失業届を飲んだ
青春は夭逝、機械にかじりついたまま

 

俺は労働を飲んだ、俺は貧困を飲んだ
歩道橋を飲んだ、この錆び切った人生を飲み込んだ

 

俺はもう飲めない
飲んだもの全部が喉にせり上がってる

 

俺はこの国にあふれてる
恥さらしの詩だ

 

                                  (許立志)

 

 

I Know a Man

 

おれはダチにこう

言ったんだ。なんせ、おれはいつも

喋りっぱなしだからな。「なあジョン」とおれは

 

言った。まぁ、それはやつの名前じゃ

なかったけどな「真っ暗に

なっちまったぜ。こうなると

 

どうにもなら

ねぇや。いっそ馬鹿でっけえ

車でも買っちまうか。どう思うよ?」

 

「おい頼むから」とヤツは言った「ちゃんと

前向いて運転

してくれよ」

 

                           (ロバート・クリーリー

 

 

退職

 

いろいろあって仕事辞めた。いや別になんもないけど辞めた。また辞めた。無職。長続きしねぇな、どれもこれも。まぁ多分一生こんな感じなんだろうけど。

 


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最近こればっか聴いてる。昔から好きで、だるい昼下がりにこれ聴くとイイ感じだよなとか思ってたけど、普通に24時間いつ聴いても最高だわ。というか24時間の中でだるくないときってのがなかったわ。なんかこう、いまいち、なんとなく、あー、みたいな。プレステ5でも買うか。

 

 

夜更かし

徹夜。本読んでた。

いや読んでなかった。1日中スマホいじってた。

 

毎週毎週、週末無駄に夜更かしして、だから平日きつくなるんだろって後悔して、けど週末すら無駄に夜更かしできない人生ってどうなんだそれって謎の使命感もあって、まぁ月給取りの永遠のジレンマだよな、みたいな。

 

昔、誰かのエッセイで「1日1時間ぐらいずつ、寝て起きるのが遅くなるってのがむしろ自然なリズムなんじゃねぇの?」的なこと読んで、確かにその通りってのが、まぁニートになるとよく分かる。前の日10時に寝たとして、じゃあ今日もそのぐらいに寝るかって思うけど、でもなんだかんだ「あともうちょい」的な感じで本読んだりゲームやったりして時間が過ぎてやっと11時ぐらいに眠くなって、みたいなのを毎日繰り返して、そんで10日後には完全に朝夜逆転して、んでさらに10日経ってぐるっと一巡、また夜10時に寝て朝7時に起きる生活、みたいな、まぁそれはそれで規則正しいっちゃ正しいよな、みたいな。

 

 

酔う

『パラダイスキラー』ってゲームやってた、けどめちゃくちゃ酔う。一人称視点のゲームは酔いやすい、けどこれは特にすごい。全然進まん。エンディング行けねぇよ。ヴェイパーウェイヴっぽいゲーム、ってことで気になってやり出したけど。

 

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設定とか雰囲気、はめちゃくちゃイイ。最高。昔のやらかしで300万日ぐらい追放されてた主人公が殺人事件の解決に呼び戻されるって話。でもゲームとしてはつまんねー。ひたすら島のナカ歩き回ってモノ拾ったりヒトから話聞いて推理のネタ集め、みたいな。ファストトラベルも制限かかってて、とにかくほっつき歩いてこのキッチュな世界を堪能しろ!って趣向のゲームで、けど飽きる。まぁでも確かに、ヴェイパーウェイヴって聴き出して20秒で飽きる音楽だし、そういう意味じゃ忠実に「原作」再現っつーか、いやでも酔いのひどさはマジで勘弁。退屈さに浸る、って境地になる前にぶっ倒れる。死ぬ。

 

これ、小説で出ねぇかな。なんか分からんけど、めちゃくちゃ小説として読んでみたい。こういう世界をオープンワールドのゲームとして作りたい、って欲望はまぁそりゃそうなんだろうって感じだけど、でも、なんか小説なら絶対もっとイイ。酔う云々抜きにしても。なんでそう思うのか自分でも分からんけど。サウンドノベル、でもなくて小説。絵も音も要らなくて、言葉だけのヴェイパーウェイヴ。絶対このゲームやってハマった作家とかいるだろうから、そういうヒト書いてくんねぇかな。星海社あたりでノベライズ出たらすげぇイイ感じあるな。