worry

 

お悩みは一時滞在許可

それか明日のメシ

10平米のアパート

暗い明かりで咳をする

労働者のザマを書く、そんで最後のページ、

浮かぶのは影、丸まった背中の

夕闇の雨を聴く、笠でもしてる気分で

バルコニー

俺は桂冠詩人になって

欄干にもたれて彼方を眺めてるってわけよ

                                  (許立志)

 

 

徒歩

 

不毛の地を往く、って感じ、無理だろこれ

回り続けるこの街、荒野みたいに痛みが延びて

車輪がアスファルトに食い込む、ヒビを産む

世界中、そこらじゅうのヤツら、あんたらが

100トンのチケットを運ぶ

100万年の重みで膝をつく

俺もそうだ、たまに迷子になるけど

骨の手

頭上、雷鳴

怖いのは青春の喪失、それと就活

泣いてる身分証

病気の種が根を下ろす、日々のrushで忘れてく

俺たちの人生は古ぼけてあばたヅラ

電柱のビラみたいによ

                                  (許立志)

 

 

無理

 

誰かがひとつ、明かりを灯して、俺たちのこの限界、無理を照らしてくれるかもな

そいつが最後の希望

ここに10万、機械があれば

なら

40万の手、40万の足、20万の頭蓋

訊かぬが花、絶望の重さは

青空は灰色に

作業着がクチほどにモノを言う、俺らがマジ無理ってこと

日勤は陽を、夜勤は月を拝めない

工場のちんけな明かりが俺らの影を延ばしてく

無理があふれる

床に滴る

                                  (許立志)

 

 

日々

 

ザ・賃労働ライフ

眉間にしわ

バフ磨き担当、ガンガンバンバン

労働者同志諸君(男)

労働者同志諸君(女)

我らお美しいお青春を

目の前、ベルトコンベアに捧げてく

親方サマが言う

これが高速マウンター、あれは多機能マウンター、

そっちはローダー、そっちはバイスクランプ

俺に分かるのは

全部冷たいってことだけ

親方サマその2が言う、あなたたちはここに働くためにあなたたち自身で来ました、

誰もあなたたちにそれを強制していません

魔法のその言葉、どうしようもねぇ、おっしゃる通り、イエスマム

俺は指折り、こぼれる日々を数えてる

                                  (許立志)

 

 

トーク

 

機械はびっしょり、俺らの血と汗で

聞こえてる、そこらじゅうしみったれた話

地元、3年帰ってねぇよ、とかなんとか

どこよ、河南、四川、海南、広西、とかなんとか

金、貯めたら彼女、連れてって結婚よ、とかなんとか

息子? 9歳、とかなんとか

あぁ

盗み聞き野郎ってか、シコシコ書き留めて

字は赤、散らばって消える

紙とペン、落ちていく

聞こえてる

                                  (許立志)

 

 

 

夜が増す

足で測る、膝にも来てない

薄っぺらい眠り

遠路はるばる誰か、6月の陽に舞って

風が吹いて髪が落ちて、残ってんのは白髪

陽が沈む夜

人生の岐路で完璧ホームシック

しんどい、故郷の青い山、あのくそったれな無限よりずっと

しゃがんであちこち探してる、ママが昔、話した夢を

                                  (許立志)

 

 

組立ラインの彫像

 

組立ラインnow

青春が血みたいに流れてく

基板、留め具、筐体、流れてく

ヘルプはなし

あるのは両手、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、掴む、掴む、掴む、

タコと傷だらけになるまで

気づいたら彫刻に、ってなもんで

                                  (許立志)