高卒と大卒と頭文字D

 

最近仕事帰りの電車で毎日頭文字Dのアニメ見てる。それだけが唯一の楽しみって感じで、でもあと2、3日で見終わりそうなんだよな。ヤバい、次のアニメ探さねーと、みたいな。

 

頭文字Dで結構イイなって思うのは、主人公が高校出て地元の運送屋に就職するってトコだ。そんで付き合ってたカノジョが上京して別れる、みたいな。主人公は地元で働きながらプロのレーサー目指してて、それはそれですごい頑張っててその界隈で頭角現してんだけど、まぁそれはそれとして、現状は実家暮らしで凡庸な労働者で週末に峠でクルマ走らせてる若いにーちゃん、って感じの、まぁ、俯瞰で見りゃどこにでもありそうな田舎のしょぼい若者の生活、みたいな。そういう見方でも結構面白いぜこの作品、みたいな。

 

作品の序盤、高校生だったときの主人公が「早く卒業して働きたい、自分で金稼いでないうちは何をどうしたってガキで惨めだ」的なこと言ってて、その台詞も妙にリアル感あるっつーか、現実で大学とか行かないで高校出て即働いてるヤツらの感性なんだろうな、みたいな。まぁ普通に大学に行くヤツにもそういう「働いてないうちはガキだ」的な感覚は、そりゃある程度はあるっちゃあるけど、でも高卒で就職って進路選ぶようなヤツらはそれがもっとヒリヒリ神経に刺さってるっつーか、自分の小・中学の頃の、大学行かなかった知り合い、あいつらなんかも、「ガキでいることの焦り」みたいなもんを、俺とか鈍感なヤツよりはるかに真に迫って日々感じてたんだろうな、みたいな。ってか大学行くか行かないかなんてその違いでしかないんじゃねぇか、要は自分が「ガキ」ってことにどの程度不感症でいれるか、みたいな。

 

どうせこの先何十年も働かなきゃならないんだから4、5年ぐらいモラトリアム延ばしてもいい、どこでもいいから誰でも全員、とりあえず大学ぐらい行っときゃいい、とかなんとか、昔も今も個人的にはそう思ってるけど、でもその考え自体がなんつーかちゃちなモノで、たかが数年、働かなくていいからってそれがなんだってんだ、そんなちんけな「猶予」にすがってもしょうがねぇ、しょうもねぇよ、――みたいな、18、19で働いてるヤツらはそう思ってんのかもな。ある種の「投げやり」っつーか、要は五十歩百歩だろ、だったら百歩歩くよ、どうでもいいわ、みたいな。「ガキ」がどうこうって話よりそういう感性なのかもな、もしかしたら。どうでもいいわ、手取りも残業も有給消化率も、何もかも、みたいな。