「自分が邪魔」

 

久々に本屋行ってきた。何冊か買った。

平岡正明、なんやかんやで初めて読んだ。いや、まだちょろっとしか読んでないけど冒頭の文章、

 

 ジャズは、生演奏がいちばんだというのはまちがいないが、生演奏はときどき、演奏するやつが邪魔だ。

 部屋で聴くと、自分が邪魔だ。

 ジャズは、ジャズ喫茶で聴くものだ。

 町を歩いても、モダンジャズ喫茶を見かけなくなったって?

 探せばまだあるよ。

 

あーなるほどって感じ。「部屋で聴くと自分が邪魔」ってのが。そういうことかと。ジャズどうこうってより、それに限らず、要するにバーでひとりで酒飲んでるヒトとか喫茶店で本読んでるヤツとかも。え、別に自分の家で、部屋での方が落ち着くんじゃね、とか思って不思議だったけど、それだと「自分が邪魔」してくるのかと。つまりそういうヤツがひとりで店行って飲んだり読んだり書いたりしてんだな、と。いやまぁ、もっと身もフタもなく、家だと嫁だの旦那だのガキだの親だのがいて邪魔、ってこともあるだろうけど、まぁでも、確かに邪魔な自分、ちんけな自意識みたいなもんから離れる、離れて音楽でも本でもお勉強でもその対象に向き合う、その「テクニック」としての飲み屋、お茶屋、諸々、ってのは、なんとなく、長年の謎がちょっと解けたって気もする。まぁでもやっぱ、本は寝転んで「だりぃ」とか言ってケツぼりぼり掻きながら読みたいけど。