面白かった。これ。このゲーム。『ローラードローム』。
スケートしながら銃で撃ってくゲームで、アクションも面白いけどそれ以上にストーリーがイイ。何も起きない、主人公が何もしないってのがイイ。
作中で「ローラードローム」って競技が流行ってて、要するに滑りながらいかにカッコ良く敵を倒すかってのを競うスポーツで、どうも世界はディストピアっぽいんだけど主人公はひたすらローラードロームやるだけ、優勝目指すだけ、みたいな。全部で10ステージぐらいのゲームで、ステージの合間に3、4回ロッカールームとか漁れるパートがあって、そこで断片的に設定、ってか世界観が分かって、で、まぁ、だからどうだってこともなく、主人公はひたすら選手で、みたいな。他の選手が打倒ディストピアのレジスタンスに主人公誘ってる形跡とか、お偉いさんが主人公に八百長的なもん持ちかけてる形跡とかあったりして、でも主人公はどうも全部シカトって感じらしくて、世界の騒ぎとか陰謀とか全部シカトで、単に主人公は優勝して、それでおしまい。何も起きない。何も変わらない。世界中で人気のスポーツらしいのに選手の控え室はお前これ区民プールのロッカー室かよみたいなしょぼさで、そういうのも含めて、アクションも派手っちゃ派手だけどから騒ぎっつーか、結局は淡々としてて、そもそも主人公以外誰も実物は登場しなくて、要するに主人公ひとりが競技場とロッカールーム行き来してるだけで、救いがない、ってか救われたがってすらなくて、まぁ人生こんなもんっすよねー、みたいな。いや主人公、カッコいいんだよな。優勝して、廊下に落ちてた決勝の相手、イカサマ野郎の割れたヘルメット見て「アホな負け犬」ってワンフレーズで終わらして、テーブルのトロフィー取ってスタッフロールで、お、おう、みたいな。やってるうちに飽きてくるんだけどその飽きっつーかだるさも込みでゲーム性っつーか、だるさが心地イイっつーか、なんつーか、まぁ別に、たかがディストピアぐらい、そっとしといてやれよ、そんなもんには言葉すら要らねぇよ、みたいな。