『アシッド・ヴォイド』。クトゥルフものの短編集。電子書籍になってたんで買った。久々に読んだ。
昔、図書館で借りて読んだ。その頃ウィリアム・バロウズにハマってて、バロウズが主人公の話があるってことで読んだ。作者のこともこれがクトゥルフものだってことも全然知らんで読んだ。っつーかクトゥルフものってのがどういうもんなのか自体まったく知らずに読んだ。
だから最初、すげぇ新鮮だった。要するにクトゥルフの知識、ってかデータベースを読者が共有してるって前提で書かれてるから、もう何が何だか意味不明って感じの展開で、「お、おう」みたいな感じで、でもなんつーか、イイ意味でワケ分からんって感じで、それが結構気持ち良かった。
今年、たまたまちょっとラヴクラフト関連の本何冊か読んでて、それでちょびっとクトゥルフ云々の知識、ってかニュアンス、仕入れてて、その状態でバロウズご登場の短編、読み直したけど、まぁ別に、全然良かった。あの頃みたいな五里霧中で読まなくてもちゃんとイイ感じに新鮮っつーか、アタマのリフレッシュになるわ。イイ意味で何言ってんだこいつ、みたいな。「ティンダロスの猟犬は角から角を伝うのよ。だから角で囲まれた部屋は絶対に密室にしないでね」。そ、そうすか、みたいな。
まぁバロウズ好きだったとか言って、全部山形浩生の受け売りだけど。そもそも。今も昔も。