最近やったゲーム

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『Firewatch』ってゲームをやった。おっさんが山火事監視員になって山の中をうろちょろするゲーム。

 

そんでケルアックの小説読み返した。上の短編集の「山上の孤独」って作品で、若い頃のケルアックが山火事監視員をやってたときのことを書いた私小説。個人的にケルアックの小説は昔からあんまピンと来てなかったけど、この「山上の孤独」はなんとなくぼんやり悪くねぇよなって感じで憶えてた。っつーか無意識でこの「山上の孤独」に引っ張られて『Firewatch』もやろうって思ったんだろうな。

 

あとはまぁ、ケルアックだとなんやかんやで『オン・ザ・ロード(路上)』もやっぱそれなりに憶えてるっちゃ憶えてる。旅小説、ってよりは個人的にはスクールカースト作品(学校じゃねぇけど)って感じだった。キャサディっていうスクールカースト最上位みたいなイケてるヤツが、何故かケルアックを気に入っててつるんでくれてる、みたいな感じの話で、ケルアックも一応カースト上位のグループの一員ではあるけどその中じゃそこまで目立ったヤツでもない、でもボス猿のキャサディが目をかけてるから他のヤツらもケルアックを邪険にできねぇ、みたいな空気感があって、旅云々よりその関係性を描いてるってふうにしか読めない小説だった。

 

そんで作品の終盤、キャサディとケルアックはイイ感じの麻薬を探しにメキシコだかどっかに行って、けどそこでケルアックが現地の病気にかかってダウンして、キャサディが「悪いけど俺、先帰るよ」みたいな感じでちょっとバツが悪そうにしながらもケルアックを見捨てて行っちまって、でもケルアックもちょっと「おいおい」的な感じでイラっとしつつも「でもまぁそうだよな、そりゃ行くよな、あぁ、行けよ」的な感じで、なんつーか互いの「格」の差を考えたらそういう選択になるよな、俺なんかほっといて行くのが「筋」だよな、みたいにどっかで納得してて、それは、その納得の仕方、腑への落とし方はなんつーか独特のリアル感あるわっつーか、スクールカースト(学校じゃねぇけど)ってこういうことだよな、みたいな、そういうのをバシッと描いてるってのはなんか割と感動するっつーか、ケルアックすげぇ、みたいな。学園ものとかママ友どうしのマウンティングがどうこうみたいな日本の作品で、ケルアックのこれより人間関係の非対称性、非対等性を「リアル」に描けてるやつってあんまねぇよなって気がする。