東浩紀

 

昔から東浩紀のファンで、で、多分「生殖」ってモノをうまく使ってるトコに惹かれてんだと思う。そういうファンは他にも結構いると思うけど。

 

セカイ系とかの「キミと僕だけ」みたいな話があって、そんでそこに向かって「他者」がいない的な批判があって、で、東浩紀が言ってたのは、要は「「キミと僕」のふたりきりでも、まぁ普通に考えてそいつらはそのうちヤルだろうしヤッたら女の娘は孕むだろうし、だから結局ガキがデキるってことで閉じた世界は自壊するわけだから別にイイじゃん」ってことだったと思う。ヤレばデキるっつー身も蓋もない現実で「他者」がいる、いないみたいな空中戦を追いやる、うぜぇから話すり替えとけ、みたいな。そんな感じで、セックスっつーか「生殖」に目をつけてる、それこそ人間を猿として描写できる、子供を「異物」として見れる、みたいな。

 

なんとなく東浩紀できちゃった婚に好意的、いや好意っつーか現実そんなもんっすよねってのが文章の前提にあるって感じがする。別にそういう直接の言及があるわけじゃないけど。田舎のヤンキーあたりが自分らのつるんでるネットワークの中で付き合ったり別れたりして、本当は別に本命がいるけどそいつは別のヤツと付き合ってるからとりあえず今は2番手の女とヤッとく、とかシてたらそいつが妊娠した、あーじゃあまぁ、こいつで妥協して結婚するかー、みたいな、まぁ俺の人生こんなもんっすよね、まぁ別にこいつのコトもそこそこ好きだしそこそこ楽しく暮らせるだろ、みたいな。東浩紀自体の経歴にはそういう地方のマイルドヤンキーみたいなアレは微塵もないのに、インテリのくせにそういう嗅覚あるのがすげぇなって思う。ガキがデキるって「物理」があれこれの理念に先行する唯物論。なんつーか、東浩紀の話って不思議と妙な救いがある感じがするんだよな。分かんねぇけど。