山際淳司

 

オリンピック、よく知らないマイナースポーツの映像観てると山際淳司思い出す。

 

山際淳司の文章は「江夏の21球」とか「スローカーブをもう一球」とか、ああいう野球みたいなメジャーなやつじゃなくて、他のもっとマイナーなスポーツを扱ったモノの方が個人的に面白い。ってかあのヒトの文体に合ってる。野球とかサッカーみたいには金にならないスポーツ、その分野では日本トップ、世界大会とか出るような選手なんだけど、じゃあそいつらの本業はっていうと田舎の中学の体育教師とか車のセールスマン、みたいな感じの、そういうちんけな「アスリート」を書いた文章は結構グッとくるっつーか、そいつらが試合中とかに「何やってんだ俺?」みたいな感じにふとむなしくなってる、でもだからって自分の日常やら何やらを変えようとするわけじゃない、みたいなしみったれた描写が。ある種アスリートってモノの凡庸さっつーか、金とか注目度みたいな殻を剥いた先の、スポーツってモノの陳腐さ、アスリートのどうにもならなさ、みたいな。