体罰

 

体罰の話、ってか体罰って単語聞くと脊髄反射渡部直己のこと思い出す。ベテランの文芸評論家で、俺が大学生のとき教授やってたヒトで、よくそのヒトの講義を聞いてた。話がうまくてどの授業もおもしろかった。

 

そのヒトは「体罰としての朗読」ってことを言ってて、昔教えてた大学とか専門学校で、小説とか評論の実作、みたいな授業であんまりひどいモノを書いてきた学生には授業中にみんなの前でその文章を音読させてた、いかにくそみたいなモノを自分が書いたのか思い知れ! 的な意味でやらせてた、とか言ってて、確かにキツイなぁ、俺だったらもう二度とその授業出られねーなぁ、とか思って、いやなかなかのもんだなぁと。この大学に来てからは、自分も歳とって丸くなったからまだやらせたことないって言ってたけど。

 

渡部直己の文学理論、はかなり偏屈で、けど個人的にけっこう影響受けてて、普段本とか読んでてもソクラテスのデーモン的な感じでアタマのナカの渡部が「この本つまんねぇよ」「陳腐だよ」とかささやいてきて、うるせぇな! ちょっとあっち行ってろ! みたいなふうになって、けっこうめんどくせぇな、そんで絵に描いたようなひとり相撲だよな、みたいな。なにやってんだ。