うさぎ

 

25、6歳で、実家でニートだった頃、飼ってたうさぎが死んだ。母親が買って飼ってたわけじゃないけど、実質母親が99%そいつの世話をしてて、まぁ、どう見ても飼い主だった。ロップイヤーで、基本おとなしいヤツで、けど抱っこはこの世の終わりみたいに嫌がってた。

 

病気で段々弱ってきて、死ぬのとほぼ同じタイミングで母親が体調を崩した。めったに風邪とかひかないヒトだけど珍しく寝込んだ。個人的にはけっこうアツいっつーか、感動的っつーか、1番面倒見てた、かわいがってたヒトがペットの死にシンクロしてダウンするってのはこう、理に適ってると思った。そうだよな、そうこなくちゃな、みたいな。

 

焼き場に行って火葬した。そこそこデカいうさぎだったけど骨はちんまりしてちょびっとしかなかった。焼いてくれたじいさんが「うさぎって燃やすとけっこうおしっこの匂いがするもんですな」とか言ってて、なんかその感想は好きだった。そのじいさんの物腰は火葬場の職員にすげぇふさわしいと思った。おれも死んだらこのヒトに焼いてもらいたいと思った。リピーター、みたいな。