甲子園

 

阪神園芸すごい、雨でぐじゃぐじゃのグラウンドを一瞬でまっさらに整備して超すごい、みたいな話を聞くたびにちょっと笑えるというか、なんか俺ら人間が、現代人が「屋根」ってモノを知らない、屋根って概念のない世界に知らねーうちに迷い込んでるみたいな錯覚に陥って「あれ?」みたいな。この世界は屋根ってモノを発明できなかったけどその分雨に濡れた土を乾かす技術は超発達しました、みたいな。どっかのパラレルワールドを見物して、その世界じゃ人間は車は生み出せなかったけど100メートル5秒で走れます! みたいな。そっち方向で進化しちゃったのかよ、みたいな。

 

なんつーかあのグラウンド整備の絵ヅラそのものが宗教的っつーか、どっかの原始部族の踊りじみてるっつーか、「雨なんかどうってことねぇぞ」っていう天にまします神への示威であり「でもできれば降らせんといてください」って祈りであり、そして「屋根」なんてモノはこの世界に存在しないふりをしてる劇場の役者であり、それはそれで結構おもしろいコメディだけど、でもまぁ、お前らのその超絶技巧、やっぱ進化の方向間違ってるだろ、みたいな。そんだけ一瞬で土乾かせるなら、そんな才能があるなら球場に開閉式の屋根とか付けれるだろ、そういうスキル習得できたんじゃね? みたいな。あるいは球場全部を上から覆うビニールシートとか発明できんじゃね? みたいな。もうそろばん教室はいいよ、プログラミングの勉強しろや、みたいな。

 

なんつーか今年の長雨は阪神園芸って原始宗教それ自体を潰しにかかってるっつーか、いややっぱ屋根でしょ屋根、みたいな。神がこの世界に「屋根」ってイデアを思い出させるためにちょっと頑張って雨いっぱい降らせてみました、みたいな。降雨コールドみたいな喜劇にも誘導してみました、みたいな。神が、野球の神さまが演出するこの甲子園。ぐだぐだの今年のこの高校野球